30代を過ぎてむくみや肩こり腰痛など、体の不調に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
体のメンテナンスに有効なのが「筋膜リリース」や「リンパドレナージュ」です。
実際の方法を見ると似たような施術をしているようですが、このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、ボディメンテナンスについて考えている方に下記を解説します。
- 筋膜リリースとリンパドレナージュの違い
- リンパドレナージュの効果や注意点
- 筋膜リリースの効果や注意点
この記事を読めば体の不調を改善する糸口が見つかります。ぜひ最後までご覧ください。
筋膜リリースとリンパドレナージュの違いとは
そもそも筋膜リリースとリンパドレナージュにはどのような違いがあるのでしょうか。違いは下記の通りです。
筋膜リリース | リンパドレナージュ | |
働きかける部位 | 筋膜 | リンパ |
目的 | 筋肉の動きの改善関節の動きの改善痛みの緩和 | むくみの緩和老廃物の排除細菌・ウイルスの排除 |
筋膜リリースとリンパドレナージュは、それぞれ働きかける部位や目的が異なります。
筋膜リリースの目的は、筋膜のよじれをときほぐして筋肉の動きを改善することです。
一方でリンパドレナージュは、リンパの流れを改善して、むくみの緩和や老廃物や細菌などの排出を促す目的があります。
それぞれの役割や、効果の詳細は後述します。
筋膜リリースとリンパドレナージュどちらがおすすめ?
前述した通り、「筋膜リリース」と「リンパドレナージュ」では目的や効果が異なります。
そのため、一概に「こちらがおすすめ」といった明確な答えはありません。
一般的に「むくみ」「顔や体のたるみ」「リラックス効果」などは、リンパドレナージュが効果的だと言われています。
美容目的の場合はリンパドレナージュを選択すると良いでしょう。
むくみが出る原因
そもそも、むくみはなぜ起こるのでしょうか。原因は下記の通りです。
- 塩分の摂りすぎ
- ホルモンバランスの乱れ
- 睡眠・運動不足
- 極度の栄養不足
- 心臓疾患
むくみとは、「その部分の細胞に水が溜まっている状態」です。
塩分の摂りすぎや栄養不足になると、細胞に水が引き込まれやすくなり局所にむくみが起こります。
特に、足は心臓から最も離れた位置にあり、血流が滞りやすくむくみが出やすいと言われています。
デスクワークが多い場合や、運動不足の方は血流が滞りやすいため注意しましょう。
また、むくみが過度なケースや、「動悸」「胸痛」などの胸部症状をともなっている場合は心臓疾患の可能性もあります。気になる場合は、専門の医療機関を受診しましょう。
リンパドレナージュとは
リンパドレナージュとは、リンパの流れを改善して、リンパ液の中にある老廃物の排出をうながす技術です。
分かりやすいよう効果や注意点などを解説します。
- リンパ液とは
- リンパドレナージュの効果
- リンパドレナージュのデメリット
- リンパドレナージュのやり方
それぞれ見ていきましょう。
リンパとは
リンパとは「リンパ管」の中をめぐっている「リンパ液」と呼ばれる液体です。
血管にそって全身に分布しており、下記の役割を持ちます。
- 老廃物の排出
- 余分な水分の排出
- 細菌、ウイルスの排出
リンパ液で回収された老廃物や細菌などは、各所にある「リンパ管」でろ過されて、体外に排出されます。
老廃物を排出するため、例えるなら「体内の下水道」と言えるでしょう。
リンパは、血液のように心臓やふくらはぎのポンプ機能で流れているわけではありません。
呼吸や、筋肉の動きでゆるやかに流れており、血液に比べて滞りやすいと言われています。
リンパの流れが滞ると、余分な水分や老廃物が排出できず「むくみ」につながります。
リンパドレナージュの効果は
リンパドレナージュの効果は下記の通りです。
- むくみの緩和
- 血液循環の促進
- 基礎代謝の上昇
- セルライトの除去
- リラクゼーション
- 皮膚の調子の改善
滞ったリンパの流れを促して、老廃物や余分な水分が取り除き、むくみやたるみ改善につながります。
また、血流の改善にも効果があり、基礎代謝の上昇や、冷え性の改善、皮膚の調子を整える効果があると言われています。
リンパドレナージュのデメリットや副作用は
リンパドレナージュにもデメリットや注意点があります。特に下記は一般的に禁忌とされているため注意が必要です。
- 感染症による急性炎症
- 心性浮腫、心不全
- 下肢静脈の急性疾患
- 悪性腫瘍による浮腫
病的なむくみの場合は、リンパドレナージュにより症状が悪化したり、他の症状を誘発する可能性があります。
急激にむくみが出てきた場合や、むくみ以外に胸部症状がある場合は心疾患に該当するケースがあります。その場合は適切な医療機関を受診しましょう。
また、強い力で行うとリンパを傷つける可能性もあります。
セルフで行う方法もありますが、正しい知識で実践するよう注意が必要です。
リンパドレナージュのやり方
リンパドレナージュの方法は下記です。
一部の手技ですが分かりやすく解説されていますので参考にしてください。
頻度は毎日が理想的です。おすすめの時間は入浴後のリラックスした時間です。
短時間で良いので心を落ち着かせながら実施してください。
なお、時間が取れない場合は週に3〜4回でいいので、長期的に実施することを意識しましょう。
筋膜リリースとは
筋膜リリースとは、筋膜のよじれを解消して、正しい筋肉の動きを促すための手技です。
筋膜リリースについて理解するために下記を見ていきましょう。
- 筋膜とは
- 筋膜リリースの効果とは
- 筋膜リリースのデメリットや副作用は
- 筋膜リリースのやり方
それぞれ解説します。
筋膜とは
筋膜とは、筋肉を保護して運動を円滑にしている組織です。主な役割は下記の通りです。
- 筋肉の保護
- 筋肉の動きを促進
- 全身の組織を支える
筋膜は筋肉の保護や、運動を円滑にするほか、全身の組織を一つにまとめて支える役割を持ちます。
長時間の非対称な姿勢や、怪我などで身体の一部に負担がかかり続けることでゆがみが生じると言われています。
筋膜は、全身に張り巡らされており、一部のゆがみは全身に波及して姿勢の歪みや、ボディラインの乱れにつながるため定期的なケアが必要です。
筋膜リリースの効果とは
筋膜リリースは、筋膜のよじれを解消して、筋肉の動きを改善するための手技です。効果は下記の通りです。
- 姿勢の改善
- 筋肉の柔軟性の改善
- 関節の動きの改善
- 肩こり・腰痛の改善
- 血液循環の改善
- リラクゼーション
筋膜リリースは、筋肉をときほぐし血流改善に効果があります。
痛みやこりの原因となる老廃物の排出が促されるため、肩こりや腰痛の改善が期待できるでしょう。
また、よじれたまま癒着した筋膜を緩和するため身体全体のバランスを整えて、姿勢の改善や、関節や筋肉の動きの改善にも効果がありますよ。
筋膜リリースについては『【筋膜リリース&もみほぐしセラピスト向け手技の参考書】「感じてわかる!セラピストのための解剖生理」のレビュー』でも解説しています。
筋膜リリースのデメリットや副作用は
筋膜リリースにもデメリットや注意点があります。下記の場合、筋膜リリースは禁忌です。
- 悪性腫瘍
- 開放創(皮膚の開いた傷)や縫合部
- 全身・局所的な感染症
施術を受けてみて強い痛みや、効果が見込めない場合は病的な原因の可能性があります。
その場合は専門の医療機関を受診しましょう。
また、強すぎる力で揉んだ場合は、炎症や新しい部位での筋膜の癒着が起こる可能性もあります。
セルフで行う方法もありますが、正しい知識で実施しましょう。
筋膜リリースのやり
筋膜リリースの方法については下記の動画が分かりやすいのでご参照ください。
筋膜リリースのポイントは継続して長期的に実施することです。習慣化できるなら毎日行いましょう。
毎日、実施することにストレスを感じるなら無理に行う必要はありません。
週に3〜4回と決めて、「腕」「背中」「ふくらはぎ」など、部位ごとに分けて実施するのも良いでしょう。
体のメンテナンスの方法
「リンパドレナージュ」や「筋膜リリース」について解説してきましたが、体のメンテナンスの方法はほかにあります。
たとえば下記などです。
- リフレクソロジー
- ハンドマッサージ
- アロマ
それぞれ一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。目的や、効果をそれぞれ表にまとめました。
目的 | 効果 | |
リフレクソロジー | 足裏への刺激により心身の不調をケアし、健康維持や美容のサポートする | 血流改善冷え性の改善 足のむくみ予防 内臓機能の活性化 代謝の改善 ストレス解消 |
ハンドマッサージ | 手のツボを刺激して血流改善と、それによる健康維持 | 血流改善代謝の改善 疲労回復 冷え性の改善 免疫機能向上 リラックス効果 |
アロマ | 香りによりリラックスや自然治癒力を高める | リラックス効果 消化促進免疫の強化 調整睡眠の質の向上 ホルモンバランスの調整 健康で美しい肌を保てる 血行促進 認知症予防効果 |
どれも、はじめるハードルは比較的高くありません。追求して学ぶためには民間資格などもあるためしっかり知識をつけて実践したい方にもおすすめです。
それぞれの詳細や、資格については下記をご覧ください。
アロマについては「リラクゼーションサロンにアロマやカラーセラピーを取り入れて、施術の効果を高めましょ」でも解説しています。
特徴を理解して正しい方法を実施しよう
本記事は、筋膜リリースやリンパドレナージュについて下記を解説しました。
- 筋膜リリースやリンパドレナージュの違いは
- リンパドレナージュの効果や注意点
- 筋膜リリースの効果や注意点
筋膜リリースとリンパドレナージュは似ているようですが、働きかける部位や、それにより見込まれる効果が異なります。
セルフで行う方法もありますが、やりすぎは身体を痛める原因になるため注意が必要です。
一人で行うのが不安な場合は、エステや専門の整骨院などを利用しましょう。
また、むくみが急激に起こるケースや、ほかの症状も起こっている場合は病的な可能性もあります。その場合は専門の医療機関を受診しましょう。
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