看護師として働くかたわら、筋膜リリースのお店を営業してる私が
独断と偏見でレビューする【筋膜リリース&もみほぐしセラピスト向け手技の参考書】シリーズ
2冊目におすすめしたいのは👇こちらの本です。
「身体構造力」のレビュー
施術の参考書というより評論文のよう
身体構造力を読んでみて、私の★評価はこんな感じ👇
★~★5までの5段階評価
わかりやすさ★★=図解が少ないので、ある程度の解剖生理がわかる人向け。あと日本語もやや難しい
手技力UP度★★=具体的な手技の説明は少ないが、「下肢長の左右差無くさなきゃ!」などの思い込みを見直せる
セルフケアUP度★★★=歩き方など、明日から日常生活が改善できる内容がのっているが、種類は少ない
解剖学的網羅度★★★=精神を含む全身の繋がりや構造を根本から見直せるが、個別の部位の説明は少ない。
読み物としての面白さ度★★★★=著者の実体験や社会背景を交えて「身体構造」を硬めの文章で文学的に書いているので、参考書というより評論文に近いが、ハマると面白い
おすすめ度★★★=施術のための参考書のつもりで読むと「?」となるかも。身体の構造を根本からみなおせて面白い。私は好き。
目から鱗が落ちる本
参考書レビューなのに評論文ぽい、そんなこの本を2冊目に選んだ理由は
なんといっても、施術の根幹を揺るがされてしまう爽快感
この本を読む前は私も
体が左右対称になるように、ほぐしていかないと!
と、思っていましたが
そもそも肝臓だって心臓だって左右対称ではないし
「利き手」「利き足」なんてものがあるのだから、身体の使い方も左右均等なわけがない
そんな当たり前のこと考えずに施術していたなと、この本を読んで反省しました。
私たちが忘れがちな当たり前のこと
「身体は左右対称ではないこと」だけでなく
「身体は筋力や神経制御だけでなく、骨格やその周りの筋肉に重力がかかることで、自動的に制御されていること」
など、
言われてみたらその通りなのに、なんで見失ってたんだろ?
と、納得できることばかりが書かれているのですが
じゃあ施術の最後に「足の長さそろいましたね~」とかやってたのは、意味ないってこと??
と、新たな疑問が生まれ、日ごろの施術を根本から見直すきっかけになり、かなり自信が揺らぎます
でもそれが日ごろの施術を見直すきっかけになったのは確か。
慣れてきたせいか、なぁなぁ仕事になっていたなぁ
と、この本を読んで反省しました。
ボディケアセラピストが陥りやすい罠
身体構造はパソコンでいうところのハードウエア
でも身体構造を考えて施術していても、どうしても癒せない痛みがある
そんな時、ついつい
「ストレスのせいかな?」とか
「悪霊がついているんじゃない?」とか
「気の流れが悪いんじゃない?」とか
いうなれば、ソフトウエアの方に目を向けてしまうのって、
ボディケアセラピストあるあるなんですよね
もちろん、心や脳の認知で発生する痛みもあり、そこにアプローチすることで劇的に症状が改善することもあるのですが、だからといって「身体構造」から目を背けていい理由にはなりませんよね。
この本を読むと、
ボディケアセラピストなのに、身体構造=ボディから逃げていないか
と、かなりドキドキします。
この本をおすすめできない方
解剖生理がよくわからない方
図解がとっても少ないので、文章からあるていどは身体構造や動きが想像できないと、意味不明な文章が多いです。
他の解剖生理の本で調べたり、ネットで調べながら読めば、より理解しやすいです。、、、そんなのめんどくさいっ方には不向きかな。
小説や評論文を読むのが苦手な方
文章が文学的というか、評論文的というか、出てくる日本語も
この漢字なんて読むの?読めないし意味わからん!
というような、難しい単語が多いので
字ばっかり読むの苦手、、、
という方には大分ツラい本です。
手っ取り早く施術の技術をあげたい方
前半は筆者が子供のころから「めまい」で悩んでいて、その解決法を模索する様子が、神話も交えて描かれていますし、
後半は根拠に元ずく医療(=EBM)の歴史、近代主義、哲学、心理学など、お話の範囲が壮大になっていくので
で、結局どうしたらお客様は喜んでくれるの~?
と、答えが早くほしい方には、じれったい気持ちになるまもしれません
それでもオススメする理由
日ごろお店で施術をしていると、なんとなく流れで施術したり
「頭痛がある」とお客様に言われても
ストレスのせいですかね~
と、ついメンタルのせいにしたくなることがあります
身体構造力を読み切った時
ボディケアセラピストたるもの、身体構造と向き合うことから逃げるな!
と喝を入れられた気持ちになりました。
日ごろ、なあなあで施術しちゃってるなぁ
という、方に是非ご一読いただきたい!!
身体構造をここまで多角的視点で描いているって面白い!と思えた一冊です。
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